中止になりました。

埼玉新英研3月例会
日 時:2020年3月14日(土)14001630
(事務局会議 1300より)
場 所:針谷公民館講座室
さいたま市浦和区針ヶ谷3丁目4-14

https://goo.gl/maps/ovpcG8nmPUqH81E66

内容:

「学習指導要領を逸脱した高校入試」大栗 健二

「ロンドン大学院修士論文:The challenges and prospects for harmonization of internationalization and national identity in primary school education reform in Japan」今村 仁美(University of London)

 

埼玉新英研2月例会

日 時:2020年2月23日(日)14:30〜17:30

場 所:岸町公民館2階第1会議室

さいたま市浦和区岸町5丁目1-3

内 容:

「小学校の英語教育を通して(児童と教師の)言語意識を高めるー母語から考える英語の語順とアルファベット」 "教えずに気付かせる、を一緒に考えませんか?" 渡辺 香代子(杉戸町立西小学校)さん

「第二言語習得論をベースにした、主体的で対話的で深い学びの授業」

   吉田 友樹(伊奈学園総合高校)さん

報告:参加者15名。

I. 渡辺さんは埼玉県の長期研修制度を利用して慶応大学大津由紀雄研究室で学んだ 「ことばへの気づき」の実践を理論をまじえて報告されました。子どもたちに英語と日本語の語順のちがいを体験させます。「ラングラング星人 たおした 火星人」といった文を子どもたちの絵をまじえて呈示します。実践の特徴は「英語の語順を認識するまでに英語は登場しない。母語だけから、母語を出発点にして英語の語順を捉えさせていく」、つまり「ことば」という広い視点からアプローチします。たまたま参加者から2日前に出版された寺沢拓敬『小学校英語のジレンマ』の紹介もあり、大津さんの「ことばへの気づき(メタ言語能力)=ことばの仕組みや働きを対象化し、気 にとめ、さらに意識すること」について語る渡辺実践の学術的背景が明らかにされていきます。まとめとしての「考察」は、 母語による気づきが、(1)外国語学習のために必要な強固な土台作りを担う、(2)外国語教育のみならず、国語教育を含む、言語教育全体の促進する、(3)目標言語との相乗効果を促進するという3つの点で重要である、という今日的な課題に応えるきわめて刺激的な報告でした。 

II. 吉田さんから4技能5領域と思考力育成を目指した主体的で対話的な深い学びの授業という、4 strands(Meaning Focused Input(MFI)、Meaning Focused Output(MFO)、Language Focused Learning(LF)、Fluency Development(FD)を、取り入れた実践報告がありました。

 『たった一つを変えるだけ クラスも教師も自立する「質問づくり」』(新評論)を参考にした実践です。 <授業の流れ> 新出単語の発音練習(板書された単語をペアで生徒同士でクイズをだしあう)→リスニングの4択問題で内容理解 (MFI)→全体で授業目標を確認(MFI)→リーディングで内容理解 (個々→ペアで英問英答(Q&A)、全体で答え確認)(MFI)→表現文法の説明(難しい文法を日本語説明し、チャンク日本語訳音読シートを配布)LF)→音読(ペアで→指名読みで全体で発音確認)(LF)→リテリングの準備(教師のモデルでリテリング後生徒はキーワードを書く)(MFO)→リテリング(ペアで4回絵を使って教科書の内容を説明)(MFI/MFO/FD)→リテリング内容を筆記(MFO/FD)→毎レッスン2〜3回の自己関連活動(OREO(O:意見、R:理由、E:具体例・説明、O:まとめの意見)という形式で自分の意見を書かせる(MFI/MFO/FD)という展開です。

 上級クラスの授業でのとりくみも紹介されました。教科書関連テーマを(Question Focus)を提示し、個人→グループで質問を作成し、答えをパソコン室でリサーチし、Visual Aids、内容確認の質問3つを用意しプレゼ ンをする。(個人→ペア→移動して4人班→班内でベスト作品を選びクラス全体)のように展開されています。

 同僚とは「山の頂上はそろえるが、登り方は自由にやろう」 としているとのころ。

III. 母語を意識した渡辺さんの小学校英語の実践と、教師が英語で進めながら生徒たちの英語での表現活動を引きだす高校での実践がコラボした学ぶことの多い例会となりました。

(文責:前半・柳沢、後半・田中)

 

栃木・埼玉合同例会

日 時:2019年12月1日(日)1時半から4時半

会 場:宇都宮市中央市民活動センター・中央生涯学習センター402学習室

宇都宮市中央1丁目1-13

交 通: 東武宇都宮駅徒歩3分, JR宇都宮駅徒歩20分, バス総合福祉センター・オリオン通り入口・松が峰教会・県庁前(宇都宮市内循環〔きぶな)

報 告;

「身近な話題でやり取り(仮)」星 笑美子(宇都宮市立岡本西小学校)

「英語の授業で”Living together in Peace”を」浅川 和也(東海学園大学元教員)

世話人:赤荻さやか(益子中学校)

報告①「身近な話題でやりとり~地域から世界へ~」星 笑美子

(1)6年生 Unit 6 I like my town.

 修学旅行で行く鎌倉と地元の岡本(宇都宮市)を比較して、自分の町を客観的に見る視点を提示したことにより、地元である岡本に関心が高まった。

Ex) We don't have an aquarium in Okamoto but we have a nice river.

 町への興味関心を高める導入を行ったことで、様々な場所についての表現が見られ、子どもたち自身からも言いたいという気持ちが生まれ、活発な活動につながった。

(2)5年生 Unit 5 She can run fast. He can jump high.

 校内の先生方へのインタビューを行ったのち、日光での校外学習では外国人観光客の方へインタビュー活動を行った。日光での活動は、クラス担任の先生方のはからいで行われることになった。小学生が英語で観光客に話しかけると、彼らが日本語で答えるなど、互いを思いやる会話も見られ、とても興味深いものがあった。さらに、子どもたちがリアクションをしたことで会話が続いた場面もあり、子どもたちは生きたコミュニケーション活動が行うことができた。振り返りでは、単語が書かれたイラスト付きのカードを並べることにより、語順への気づきもあった。また、発表の場面では、ジェスチャーなどを用いるなど、子どもたちの工夫が見られた。

(3)まとめ

 星さんは、児童の力を信じてやってみることが大切と話された。また、児童の表現の良さを生かしつつ、言葉をどのように加えていくかについて考えていきたい。さらに、学級担任が外国語活動をスムーズに行えるように手助けをしていきたいが、どのようにしていくか模索中されている。

(4)その他

 今回初参加になる小学校専科の川又さんからは、①専科教員の現状が報告され、児童の実態を把握できないまま授業が行われており、授業に影響があるとのこと。②中学年と高学年の教科書の内容の差が大きいことが指摘され、教科書からアレンジした教材を使用している、とのことであった。

報告②「英語の授業で〝Living together in Peace″を」浅川 和也

〝Living together in Peace″のために英語の授業で取り入れられるような視点のもと教材もたくさん紹介いただいた。

(1)International Day of Living Together in Peace が国連によって2018年より5月16日に定められた。

      https://www.un.org/en/events/livinginpeace/

(2)UNESCOドロール報告『学習:秘められた宝』にある4つの柱(Learning to know, Learning to do, Learning to be, Learning to live together)に注目している。

(3)文部科学省は国際理解教育だが、外務省では開発教育を推進する。①『地球の仲間たち スリランカ/ニジェール』(ひだまり社)として海外青年協力隊のOGOBらによるフォトランゲッジ教材の一部が出版された)、また②ピーターメンツエルによる『地球家族』『地球の食卓』(開発教育協会による教材 http://www.dear.or.jp/books/book01/1264/ )が紹介された。

(4)『地球市民を育む学習』(D. Sellby)は古典で、英語教育にも応用できる。現在、Sellbyらは気候変動教育に取り組んでいる。

(5)欧州でつくられた人権教育のためのコンパス(Compass)は、英語ほかアラビア語、ブルガリア語、エストニア語、フランス語、イタリア語、ロシア語、スペイン語、ウクライナ語版は無償でダウンロードできる( https://www.coe.int/en/web/compass )。日本語版は有償。

(6)CASEL(The Collaborative for Academic, Social, and Emotional Learning)は現在アメリカで注目されている。ソーシャルスキルのみならず、学力も伸びていると実績がある。Conflict Resolution Educationとしての側面も持っている。日本での構成的グループエンカウンターと類似している。(文責 赤荻さやか)

 

埼玉新英研11月例会

日 時:2019年11月17日(日)14:30〜17:30

(事務局会議 13:00より)

場 所:岸町公民館1階第3講座室

さいたま市浦和区岸町5丁目1-3

https://goo.gl/maps/27uDVmRBoMHbeVbw8

内 容:

「母語で思考する英語学習をめざして」

  詫間 恵里子(さいたま市立植水小学校)さん

「子どもたちの学びに本当に必要なこと〜小学校英語≠英会話能力の付与〜子どもの学びを見える化する」

 阿部 志乃(横須賀学院小学校)さん。

 参加者13人。小学校英語を担当している2名の方から報告。小学校の外国語教育のあり方を協議がなされた。

報告1「母語で思考する英語学習をめざして」

 詫間恵里子さん(さいたま市立植水小学校)

 今年から専科となり、2校かけもちで教えている。

(1)具体的実践の工夫

 高学年の授業では、「学び甲斐のある内容のある学び」を重視し、「学校って楽しいな」という単元で、①世界各国の時間割、②世界の地域の実態紹介、③ALTによる「フリィピンの子どもの様子」、④「生きるために必要な」教科と理由をグループで考えて発表。英語で言った後、日本語でも説明してもらった。

 高学年の授業ではまた、「No!  David!」の絵本を元にした紙芝居を作った。英語のセリフの後に日本語を入れた。6年生が作り、朝のGS(Global Study)タイムでテレビで放送した。

 授業を受けた子どもたちの声として、「みんなでやると楽しい」「みんなで考える時間をもらって楽しかった」等が報告された。

(2)協議

 やはり母語が大事。子どもがわからない言葉を使っても共通語ではない。さいたま市で作っているテキストがそのままでは使えない、他の教科を圧迫等があげられる。GSにこんなに時間をかけるのなら、国語、社会等の大事な内容をやる方が良いのではないか。

 結論的には「英語嫌いにならないで中学校に行ってもらえれば良い」のではないか。

報告2「子どもたちの学びに本当に必要なこと」

 阿部志乃さん(横須賀学院小学校)

(1)言葉と文字の重要性について

・Why do we learn English?から始める。7千以上の言語があるのに、なぜ英語?「ただ、やれ」では子どもたちは納得しない→教師なりに理由を持っておく。

・学び方の基本1 Phonics(文字と音)を1年生から教える。「読める」「わかる」が基本。

 子供たちが何がわかっていないのか教師はわかっていない。小学校ではこんなことの繰り返しになっている。わかる=音がイメージにつながることが大事。

・文字指導が必要な理由。文字=音を導く。文字と音がつながる → 自分の力で音を再現できる → 自立学習を進められる。言葉の学びの基本 → なぜか日本では指導なし。

・Phonicsで子どもたちのモチベーションが上がる。半分位の単語ならなんとかなるのではないか。

(2)小学校から続けられる記録 Lap Bookを紹介。

・教材と指導法の試行錯誤の繰り返し際にウェブサイトで見つけた。

・自立した学習者が目標。

・教師がいなくても学習を進められるようにするためにLap Bookを2013年から始めた。家庭でもこれを見せると何を学んだかわかる。

・私学だから試すことが許されている。常により良いものを考え、試し、発信していきたい。

(3)協議

・阿部実践は動機づけが丁寧で、腑に落ちる。

・今日の2つの発表とも非常に意義があった。技能偏重でない「もう一つの外国語教育」を示していくことがこれからもとても大切だろう。

(文責:根岸恒雄)

 

埼玉新英研9月例会

日 時:2019年9月22日(日)14:30~17:30

場 所:針谷公民館研修室

報 告:

「小中連携の英語教育に期待したいこと」赤荻さやか(益子中学校)

講 座:

「協同学習にどう取り組み『主体的・対話的で深い学び』をめざすか」

根岸 恒雄(群馬県立女子大学他)

 

埼玉新英研総会・5月例会

日 時:2019年5月26日(日)13時〜17時30分

場 所:さいたま市大宮南公民館会議室

 

5月26日(日)13時〜17時30分にさいたま市大宮南公民館で行いました。 最初に1時間ほど総会を開き、現役員体制を承認、新年度の例会予定を決めました。新しい事務局員に若い2人を迎えることができました。

 報告(1)は「学びのある小学校英語教育をめざして~『文字』と『音』の関係の学習」を森田明義さん(鴻巣市立赤見台第一小学校 英語教育専科教諭)にお願いしました。小学校1年から6年までの6学年のかわいい生徒たちが元気で英語の音声を口にしています。すぐれたALTと森田さんのすぐれた授業プランが子どもたちの不安を上回る外国語学習への憧れを上手に引き出している様子が6学年の動画を通して参加者に伝わりました。

 報告(2)は「Freedom Writers DiaryからA memorial for Jewsへ」を自由の森学園(中・高)の玉木志乃さんと島津和佳さんにお願いしました。数年前から根岸恒雄さんの力添えもあって協同学習を取り入れており、いまでは生徒は英語の授業は中1から高3まで協同学習で授業をすすめることを受け入れていると言います。Freedom Writers Diaryから高校英語教科書"COSMOS English Communication Ⅰ"に載った"I Am Home"など3つの自主教材が進め方と同時に提示されました。圧巻は「ユダヤ人に対して1933年から1945年までに出された規則や法令を読む」という実践でカラーでコピーされたユダヤ人の権利侵害の事実に生徒たち同様参加者も大きく心を動かされました。17名の参加で充実した例会で新年度をスタートすることができました。

(文責:柳沢)