2024年2月例会

日 時:2024年2月12日午後3時30分より6時45分

場 所:岸町公民館第4講座室

さいたま市浦和区岸町5丁目1−3

https://maps.app.goo.gl/FFNG83KycaRiLmxUA

およびzoomミーティング

参加費:無料

内   容:

・「SDGs*のゴールをグループで調べ発表する: SDGsの課題と現状、取り組み 」

     菊地 恵子(大東文化大学ほか兼任講師)

*持続可能な開発のための 2030 アジェンダによる持続可能な開発のための目標(SDGs)

・「内容を整理•推測し考える英文読解」

     小原 百合子(静岡県立浜松湖東高校)

事前登録:

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZ0vdu-upjIiGNOSjoh5a6Nm9UrU26SbIbzq

登録後、zoomミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。

会場参加をご予定の場合も登録をお願いします。会場にて資料は配布いたしませんので、報告者からの資料がある場合には、再度「確認メール」であらかじめお知らせいたしますので、ご自分で用意いただくようお願いいたします。

 

 

埼玉新英研11月例会
日 時:2023年11月26日(日)
午後1時30分より午後4時45分
場 所:オンライン(zoomミーティング利用)およびさいたま市岸町公民館第4講座室
さいたま市浦和区岸町5丁目1−3
参加費:無料
登 録(会場・オンラインいずれもこのミーティングに事前登録):
登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。
報 告:
「教育実習で学んだことと、英語学とリンクした指導法」
堀田 零士(立正大学学生)
「大学と短大における自己表現の取り組み―原発問題グループレポート/憲法九条と平和誌上討論/SHOW&TELL/5文スピーチ/DiscussionとSpeech」
田中 渡(東日本国際大学・いわき短期大学)
埼玉新英研
2023年10月例会
2023年10月例会案内
10月合同例会案内3.pdf
PDFファイル 183.6 KB

埼玉新英研11月例会報告

2023年11月26日(日)にさいたま市立岸町公民館とzoom併用で11月例会を開催しました。参加者はオンライン14名現地8名で、2本のレポートをもとに議論し交流をはかりました。

《田中渡さん(東日本国際大学)「大学と短大における取り組み」》

〇原発問題についてのグループレポート

福島第一原発の近くに位置する大学で学生たちに原子力発電の是非を考えさせたいと、二年前からこの授業を行っています。「ドイツの科学者からのメッセージ」(A Message from a German Scientist)、DVD「原子力の専門家が原発に反対するわけ」等の教材を用い、「Our Opinion on Nuclear Power Plant and Future Energy of Japan」としてグループレポートに取り組ませます。

メディアやSNSの情報を無批判な引用や現状追認の思想(現状はこうなっている、仕方がないんだ)が見られたり、資料の読み取りが不十分で「施設使用率が高いから優れている」と因果関係のないことを書いたりする学生の姿が見られるも、DVD「チェルノブイリハート」を観たことで実際の原発事故の悲惨さを知り、学生の問題意識が高まるようだと報告されていました。

○Discussion と Speech

英語の選択科目では、リンカーン、グレタ、セヴァンススキなど各氏スピーチ動画を自主教材として使いました。テーマは、人権、環境、核兵器、生き方の4つで、それぞれのテーマに沿った4回のDiscussionを組み、最後にまとめとして Speech を書かせるというものです。

報告の中ではDiscussionの形式やspeechの書き方についても具体的に語られました。Discussion を入れることによって教材についての理解を深め、自分自身の考えが深まるということが良く分かりました。

その他にも、憲法九条と平和についての誌上討論、SHOW&TELL、センテンススピーチ、Three Step Interview、Happy Communication、映画スキットと創作スキットについて話されました。それぞれの実践で一日聞きたいという声が出るほど中身の濃い報告でした。

憲法九条の討論の中で話された、「世界平和への理想」を掲げた憲法第九条の力というものはその文言が持つ説得力にあるという言葉を聞き、日々戦争が報じられている今とても大切だと思いました。優れた教材と実践は、学ぶ人の生き方に大きく影響を与えることができると伝わってきました。

 

《堀⽥ 零⼠さん(立正大学)「教育実習で学んだこと・英語学とリンクした指導法」》 

母校で教育実習をされた報告でした。クラーク記念国際⾼等学校横浜キャンパスは⽇本初の「全⽇型通信制⾼校」で、不登校経験のある⼦どもや芸能活動をしながら通っている⼦どもなど、多様な⼦どもたちも在籍していると言います。授業が英検の受験級ごとに行われると報告され、会場がどよめきました。

担当した準 2 級向けクラスでは授業形態の⾃由度が⾼いものの、民間試験はそれぞれの「攻略法」を覚えれば解けてしまうため、合格すればそれだけで英語が「定着したつもり」になってしまうことが危険ではないか、4技能を統合した教科指導を中⼼にし⺠間試験に頼りすぎないことも必要なのではないだろうかと報告されました。

実習の実践では、センテンスビルディングカードで主語・動詞を⾊分けし、語句がどう機能するか原理と根拠の解説をしたり、自作のゲームを行ったりと工夫した様子が伝わってきました。参加者からは、生徒の感想や作品が紹介できるよい、解説でなく気づかせることを重視したらどうか、などの意見が出されました。若い方が報告に挑戦するそのこと自体が素晴らしいとの声が上がっていました。

 

新英語教育研究会 東京・神奈川・埼玉合同例会
秋のアフタヌーンミーティング
テーマ:外国語の学びをリアルなものにするには
―児童・生徒を主人公とする異文化理解・交流をどうすすめるか
日 時:2023年10月7日(土)午後2時より午後5時
場 所:法政大学(市ヶ谷キャンパス・大内山校舎Y405教室)
 キャンパスマップ https://www.hosei.ac.jp/ichigaya/gaiyo/map/
 大内山校舎 https://www.hoseikyoiku.jp/facilities/oouchiyama.html
 およびオンライン
講 演 坂本 旬*さん(法政大学キャリアデザイン学部)
デジタル時代の異文化交流と外国語教育
報告1 矢野 淳一さん(伊豆の国市立大仁北小学校)
お互いを知り、自然や文化を伝え合う交流学習
報告2 松倉 紗野香さん(埼玉県立伊奈学園中学校)
"触れる""出会う"ことから学びをつくるーオーストラリア語学研修、韓国からの生徒訪問からの学び
報告3 赤松 敦子さん(山口県立高森高等学校)
教科書で学んだ内容に関連して生徒が話題を選び、
つくった調べ学習発表スライドを題材とした国際交流
申し込み(会場・オンラインいずれも事前登録):
ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。
参加費:無料
本研究会は*代表による基盤研究(B)1H00548
映像交流システムを活用した異文化理解・交流のための外国語教育の実践研究 成果公開の一環です。


報   告:参加43人(会場参加18人、オンライン参加25人)
講 演「デジタル時代の異文化交流と外国語教育」
坂本 旬さん(法政大学キャリアデザイン学部)
坂本さんは“協同的学び”や“メディアリテラシー”についての著者であり、また「ユネスコスクール」のアドバイザーやiEARNの理事でもある。テキストブックから学ぶだけでは不十分で、communicationからcollaborationに発展させることが大切であると考える。異文化交流もイベントのみでは本当の力はつかない。
探求学習(Inquiry Based Learning)で問いを立てて情報を収集し、分析する力をつけ、行動に結びつくことが求められている。多くの国が家庭では端末を使えないことも多いので学びには不適であり、あくまでも学校でdocumentary movieを作り, それをvideo letterとして交換する活動を勧めている。2011年に東日本大震災の時に励まされた小学生が2016年のNepalの地震の時にはネパールにvideo letter「届け!僕たちのエール」を送っている。Turkey・USA(小学校), Nepal, Indonesiaと交流。Cambodia訪問研修。最初はICTの機器の使い方が分からない生徒も,探求のプロセスを入れると次第に興味が深まり,映像の取り方なども上手になってくる。イベントで苦労(努力)することが端末の扱いの上達につながる。今年の夏は8日間Thailandの泰日工業大学(日本語コースがある)にゼミの学生を連れて行き、最後の3日間に現地で8班に分かれて映像ビデオを協働制作した。タイ人と中国からの留学生も日本語で作ってタイ語の字幕を入れた映像ビデオを作った。テーマは“キャリア”で、キャリア教育の授業がない現地の学生の職業観と日本人のそれとの相違が出ていて興味深かった。映像制作で基本スキルもつき、オンライン映像交流サイトOATubeの利用などで同期型・非同期型交流を組み合わせることが大事。まとめとして、global competenceは重要な視点であり、デジタルESDの可能性を活かして、交流から協働へ、体験の言語化でメッセージをもった映像を作ることでこの能力をつけることができる。
*OECD(Pisa)のGlobal  Competenceとは,「地域社会、グローバル社会そして異文化に関わる問題を考察し、他者の視点や世界観を理解し、その価値を認め、異文化の人々とオープンに、かつ適切に効果的なコミュニケーションをとり、共同体としてのグローバル社会の繫栄と持続可能な発展のために行動を起こす能力である。」

「お互いを知り、自然や文化を伝え合う交流学習」

矢野 淳一さん(伊豆の国市立大仁北小学校)
2021年に、「日韓教職員交流プログラム」(韓国ユネスコ協力)で釜山市のイ・ミヒ先生3年生のクラスと伊豆市の2年生のクラスで交流を始め、今年で3年目になる。My favorite fruits Top3など「I like …」と画用紙に書いたものを見せ、Zoomで紹介し合った。交流の前にはグループで相談して3つを決め、グループ内でも練習して、楽しく交流できた。2年生は「生活科」があり、野菜の栽培をし「食べるのはどこ?」と調べる学習がある。落花生は理解しにくい内容と思い、実際に育てて観察した。韓国には「生活科」がないので興味を持って見ていた。落花生の花が9月に地面に突き刺さり、充実していく8日に何者かに食べられた。ハクビシンの足跡があった。「ハクビシンは木に登れる」「ジャンプする」「強いにおいが苦手」など祖父母から聞いて、木酢液をかけて予防した。これらを韓国に伝えた。手紙をもらい、日本からも手紙を送った。タブレットでハングルも覚えて自分の名前やあいさつをハングルで現した。冬にはクリスマスカードを手作りで。年賀状2023年にも。韓国からPadletで送ってくれたものを日本語に翻訳して紹介。2年生の最後に振り返り。2月韓国の修了式時にお別れのテレビ会議をした。参加者から一番良かった経験は何だったかの質問に、矢野さんは「子どもたちがランキングをつけるときに相談したり、発表の練習をしたりした時が楽しかったようだ」と答えていた。

「“触れる”“出会う”ことから学びをつくる ― オーストラリア語学研修、韓国からの生徒訪問からの学び」

松倉 紗野香さん(埼玉県立伊奈学園中学校)
伊奈学園中学校は埼玉県唯一の県立中学校(一学年80名で2クラス)英語は週5時間。
1.中三の夏休みにオーストリア語学研修(希望制で30名)
・2023年度は7/21~8/1にゴールドコーストへ。ホストファミリーと過ごす時間がたっぷりあって、大学キャンパスツアーなど、盛りだくさん。12日間オールイングリッシュの日々。学校で生徒は、「多様な国・地域出身の生徒」と交わり、「あちこちで議論や意見を言い合う雰囲気」にふれる。皆が同じ作業を揃ってしていることがなく、教室がシーンとなることがなかった[感想]。
2.2021年からオンラインで日韓交流         
・同じ英語の教科書を読み、筆箱の中身を紹介し合う。         
・韓国から生徒が伊奈中を訪れて一日を過ごし、中三の数・英の授業に参加
・Padletで自己紹介スライドを共有                  
・翻訳アプリを使い、ドラマや歌手の話題で盛り上がった。
・今度は私たちが韓国の学校に行きたい、韓国で会いたいという気持ちになった[感想]。

 

「教科書で学んだ内容に関連して、生徒が話題を選び、作った調べ学習(発表スライド)を題材とした国際交流」

赤松 敦子さん(山口県立高森高等学校)
 授業で扱った内容に関する調べ学習のまとめとして, 生徒が自分の感想と読んでくれる人へのメッセージを入れたスライドを作成し, それを外国の学校に送って感想を送ってもらう。あるいは外国の生徒が同じテーマで自分の国のことに関して作ったレポートやスライドを送ってもらうことを基本にした実践。教科書の内容と国際交流がつながりやすくなるのではないかとはじめた昨年度の高校1年生の実践でした。対象は、特別進学コース1年生。1学級約30人を習熟度で半分(15人)にしたクラス。教科書はLandmark English CommunicationⅠ(啓林館)
*授業中でのZoomでの交流は, 学校では許可が出ていないので, 放課後に希望者だけでZoomでの交流を実施している(この報告には含まれていない) できるだけ教科書で取り上げた話題に関連しているテーマを年間計画で立てた。4人で9つの班をつくる。Google Classroom/Padlet/Power Pointを使用。以下、留意点:自己紹介文に否定的・批判的な意見・無礼な表現・からかうような表現は書かないようにすること。個人のメールアドレス・SNSアカウント・個人の写真は載せないこと(写真は本人とはわかからないくらいか加工してあるものは可)。スライドは1つに3文(15 words)以上、タイトルと出展を入れて6枚のスライドを作成する。スライドの1枚には写真・地図などを入れる。
Lesson1は、Let’s Chat with Students from Taiwanであったので、日本の料理を外国の人に紹介する英文を台湾の学校に自己紹介ともに送り、台湾の学校から返信が来た。
Lesson 2は、History of Curryであったので、和食の一つを選び、歴史やつくり方の紹介をインドの学校へ送り、インドの生徒からインド料理が届いた。
Lesson3は、My School Life (school uniforms)であったので、自分たちの学校生活の紹介とビデオを制作し、制服・行事・学校生活などを英文(50 words以上)で書き、トルコやインドに送り、トルコから名所や文化紹介が届いた。また、カナダから学校紹介文が届いた。
Lesson6では、Gestureでは、日本での身振り、手ぶりに関する英文を書いた。
Lesson7では、米国の学校から平和のメッセージが届き、こちらからも返事を送った。
Lesson8では、AIと教育に関連して、日本の教育に貢献した人を調べ英文で書いた。
Lesson10では、クウェートにクリスマスカードや年賀状を送り、クウェートから自己紹介文が届いた。
普段から英語のニュースを読み、その感想を書くことを課題にし、また教科書に関連するものであれば、例えばアメリカのいじめに関する政府のサイトを検索して英文を読み取り、またいじめをなくす工夫を作文させている。これらを頻繁に行っていることで、自分で考え、調べ、読み取り、作文する力の素地ができていることがこの活動の支えになっているのであろう。

 

埼玉新英研5月例会総会 [予定が変更になっています]

日 時:2023年5月28日(日)午後1時15分より例会、終了後総会

会 場:さいたま市大宮南公民館2F会議室

https://goo.gl/maps/W8XSg5EPeAeaNYEUA

およびオンライン

報 告:

「苦手な読解指導改善プロジェクト中間報告」

斉藤貴子(川越総合高校)

「ハンガリーでの英語の実践や授業からの学び〜サダコ平和の折り鶴プロジェクト〜」

赤荻さやか(栃木・中)

 

参加費:無料

2023年5月28日(日)

 さいたま市会場とオンライン併用で計18名の参加。遠く広島の妹尾さん、富山大会現地委員長海木さんも参加され中高2編の報告と埼玉新英研2023年度総会も行いました。

 中学の報告は栃木・中学の赤荻さんから、高校は埼玉・高校の斉藤貴子さんからの報告でした。

 まず川越総合高校の斉藤さんからの報告は「苦手な読解指導改善プロジェクト中間報告」というもので、British Councilの研修会に参加し、さらに『新英語教育』の茨城・片岡英明実践(20215月号)からの刺激をうけた読み取り指導の模索過程の報告。記号付けの実践を重ねてきたが、それが一段落した段階で学習者が自律した読み手と成長する手助けをしたい、そのために読みを深めるデザインの決め手は教材研究にあるという考えのもとで"Retrieved Practice"(想起学習)といった認知言語学の知見を英語の授業や教材づくりに生かして授業をつくっています。「朝ごはんを食べることの効用」といった教科書をどう扱うかについて、海木さんが進め方へのアドバイスを具体的に示されるなど学びが深められました。

   ハンガリーのブダペストの日本人学校から戻って栃木の中学での実践を再開したばかりの赤荻さんからは「ハンガリーでの英語の実践や授業からの学び~サダコ平和の折り鶴プロジェクト他~」という報告をいただきました。教科書 NEW HORIZON 3の《A Mother's Lullaby 》を軸に加害と被害の問題、被爆の実相をデータで理解するのではなく「折り紙プロジェクト」(新英研長崎大会で作間さんのポスターセッションで知る)という具体的な作業を伴う平和教育実践の方法が語られました。白梅短大で平和教育を実践している植野さんから浜田桂子『平和ってどんなこと』という書籍紹介がなされ、広島の妹尾さんから広島での平和教育についても語られました。(文責:柳沢)